農業を普通の仕事に。
農業法人に転職して見た景色

アグライズ 堀さん

広島県・東広島市西条町で大玉トマトを育てる堀さん。温室はかなり広くて、スッーと爽やかなトマトの香りが癖になります。農業法人だからこそ語れること、日々の現場での働き方を感じられる取材となりました。

うちのトマトをもっと広めたい

「元々はここはバラ園だったんですが、先輩方が探り探りで大玉トマトを作ってきまして。今は1万5千本ほど植えて、ピーク時は1日4トンは収穫します!」初めはホテルで働き、塾講師を経て、5年ほど前にアグライズに就職したという堀さん。現場の責任者として、将来的には倍の3万本を目指しているのだとか。「『東広島でアグライズっていう、うまいトマトを作っている会社があるらしい』そんな風に発信を広げていきたいです」

栽培は難しいから面白い

「トマトって肥料の窒素が多くても少なくても、同じように生育不良が起きるんですよ。その時には『これどっち?』ってなります(笑) 年に1回の検証ですね」意外と繊細さんなトマト栽培の難しさを感じます。「ただ農園のSNSのDMで『トマトが美味しくて広島中、探し回ったのですが見当たりません!』と来たのは素直に嬉しかったですね」大変なことが多い中でも、感謝の言葉がもらえるのは農家ならではのやりがいなのだそう。

農業を普通の仕事にしたい

堀さんとのお話で印象的だったのは「農業ってもっと”普通”の職業選択になるべきなんです」という言葉。「最近の農業の発信は苦労自慢が多いけど、素直な楽しさ・意外と働きやすい環境もある、などポジティブな面も伝えていかないと就農したいって若者も思わないですよね」たしかに相当な覚悟や信念がないと農業は始められない、というイメージは世の中で浸透しているかもしれません。「種類が違うだけで大変なのはどの仕事も一緒だしね笑」まさに前職の経験がある堀さんだからこそ言い切れる言葉だと感じます。

農園のトマトをもっと多くの人に広めたい!という堀さんの熱さを感じながら、日本の農業のイメージが変わった未来に、とても共感が多い取材となりました。農業に関心度が高い、食べ物にストイックな方にこそ触れて欲しい現場でした。