定置網漁が面白い。
網から海の未来に触れる

中村さん

広島県・福山市内海町・横島で定置網漁をしている中村さん。地元の魚屋の店長から「弟のところ話聞きにいってみ」と紹介していただき、定置網の補修作業をしているところにお邪魔しました!

海での漁だけが、漁師の仕事ではない

まず目に飛び込んできたのは、港のかなり奥まで続く黒い漁網。「何十年前の網で100m以上はあるかな。これでも小型の方だけどね」これで小型??定置網漁は巨大な網を海に半年近く沈めて、端っこにたまった魚を定期的に水揚げする漁。「破れて穴が開いた部分を魚が逃げないよう、ひもでくくって結んでやる」この巨大な網をすべて目視で確認して、補修していくと考えるだけでも、なかなか骨の折れる作業です。

水揚げの瞬間こそ面白い

「父親が底引き網漁と食堂をやっていて、21歳から漁をやっとるね。そんで今が23歳やな」最後だけ大嘘である(笑) 「魚が大量にかかってるときは、網を上げるときに自然と海面に浮かんでくるんよね。その瞬間は今でもワクワクするな」春はタイやイカ、冬はハマチなど水揚げするまで何の魚が入っているか分からない、その手に汗握る瞬間をいつか現場で見てみたいものです。

海の未来を網から感じる

「最近は海がおかしいな。クラゲが大量発生して網を突き破るし、今年は10月に網を入れたらブイにびっしりフジツボが付いた」フジツボをへらで削り取る作業であれば、ボランティアでもぜひ手伝ってほしいとのこと。陽気な中村さんと雑談しながら漁業の裏側に触れてみるのはいかがでしょうか。

「定置網漁は何十種類も魚がかかるので、日本人ももっと魚食に興味を持ってくれたら嬉しい」とのこと。日本の海と魚の未来を考えさせられる取材でした。