こんにゃく作りを通して、
生まれた土地の食文化を残す

総領こんにゃく 坂口さん

広島県・庄原市総領町で、芋の栽培、こんにゃくの加工までしている坂口さん。近くの道の駅で数多くの商品を見かけ、気になって飛び込み取材を決行!ただお話を伺う中で、地域の食文化の行く末を考えさせられるディープな取材となりました。

生芋のこんにゃくができるまで

「こんにゃく芋も4年生で卒業する」そう言って、自身で栽培する芋を見せてくれた坂口さん。子芋を植えてから1、2、3年物と都度掘り起こし、3から4年物に大きく成長したタイミングでこんにゃくへ加工するのだそう。「生芋を多く使った総領こんにゃくは初代の4代前から作り方は変えていない」自信をもって美味しいと語るその姿に、伝統への誇りを感じました。

地域から愛される商品づくり

10年ほど前から庄原の道の駅で、イベント出店をしてこんにゃくを手売りしている坂口さん。先代が「形の悪い規格外品を活用したい」と開発した、煮込みこんにゃくの”ぶさいく”は、牛すじ肉とかつおだしの煮汁が染み込み、地元の住民からも大人気だそう。私もお言葉に甘えてその場で一口。イベントでファンのお客さんがタッパーに10個入れて持ち帰ったり、1日に800個売れる理由を心から納得した美味しさでした。

生まれた土地の食文化を残したい

「やっぱり田舎は特に高齢化が進んで、担い手不足だね。正直、岡山の整骨院だけでも成り立つけど、生まれたこの地の総領こんにゃくを守りたいのでやってます」製造のピークである冬場に人手を募集するためにも、近くの古民家をリノベーションして泊まれるようにしたいとのこと。「その地に根付く食文化に触れてほしい」という坂口さんの熱い想いが垣間見えました。

生芋100%で作った刺身こんにゃくを最後にいただき、酢味噌につけて味わった取材の晩。定住という選択肢だけでなく、もっとカジュアルな関わり方で地域の食文化を残せるのではと想いを馳せた夜でした。

総領こんにゃく

募集形態 ボランティア
募集時期 不定期(冬場がメイン)
募集日程 1日から参加可能
作業時間帯 応相談
作業内容 こんにゃくの製造サポート・芋の収穫
場所 広島県庄原市総領町上領家140
備考 初心者も歓迎